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現在と過去のアニメーターの離職率の変化を考える

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近年急速に市場規模が拡大しているアニメ業界では、アニメーターになってから3年以内の離職率がついに9割を超えるようになってきたとして大きな波紋を呼んでいます。

個人的にそれらのことで、昔の離職率が気になったので調べたのですがどこにもなく、おかしいなと思って調べていたら、実は誰もわからないらしい、、、ので、今ある他の情報を使い「考察」という方向から離職率ではないですが昔と今の状況の差というのを調べてみたいと思います。

現在と過去のアニメを作る「労力」から調べてみる

正直どう計算すればいいのかわかりませんが、少なくとも今と昔のアニメを作る「労力」とそれに伴う「報酬」を比べればある程度形になるんじゃないかと思ったのでそこから攻めたいと思います。

現在、アニメーターの収入はこのような形になっています。

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グラフをチラ見しただけでもわかりますが明らかに20代の年収が低いです。20~24歳では年収が120万程しかありません。また若年層に限らず新しく参入してきた人物ならば例外なくこれらの低い年収が適用されているはずです。つまり、アニメーターはだいたい参入してから5~10年は年収180万前後の収入で我慢しなければいけないと推測できます

次に労働時間です。アニメーターの労働時間と休日日数に関するデータがあります。

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一日の平均作業時間で8時間以下と回答した人が全体の15%ほどしかいなく、休日に至っては月に4日以下と答えた人が全体の半分以上に上る55%にも上っています。何年にもわたって年収が150万の少し多いくらいしかもらえず、これほど働いていれば離職率9割超えも全く不思議じゃないですね。

これは2015年頃のデータなので今はアニメ本数も増えてるでしょうし今はもっときついはずです。

さて、ここからは過去のデータをみて思います。まずは平均労働時間と一か月の平均休日数です。昔のデータなのでグラフは無いですが、2005年では10.2時間なのに対し、2015年では11.03時間に増加しています。

しかし、一か月の平均休日日数では2005年は3.7日なのに対して2015年は4.63日に増加しています。つまり、休日の数は多くなったがその分一日の労働時間は増えています。その分詰め込ませて作らせているということですね。

次にアニメ本数のデータを見てみましょう。

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アニメ本数はだいたい2000年を超えたあたりから急激に増えています。現在会社に所属しているアニメーターはだいたい3000~4000人、フリーも合わせると8000~9000人にいかなくらいいるそうですが、アニメを作るのにだいたいアニメーターが40~50人必要とされており、そこにアニメ総本数の350をかけると17500人になります。正直言うと半分すら足りていません。

が、2000年以前はアニメの本数も100本以下であり、現在アニメーターの約7割を占める専門学校から流入も、当時からすでに開校していたこともあり新規参入数も確保されていたはずです。その結果、

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このグラフにあるように、40歳以上を占める安定したアニメーターの方が現在も多くいる理由になるのではないしょうか。

まとめると、2000年頃は今よりは大変ではなく辞める人も少なかったため、現在の40歳以上に位置する多くのアニメーターが当時二十歳から参入して今に至る感じでしょう。

しかし、2000年を超えたあたりから一気にアニメ本数が増加し、必要数の半分にも満たないような数しかいないアニメーターの方々達に全ての負担がかかり、現在は離職率9割近くになってしまったということなんでしょう。

 

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